京都の結婚式 > 京都の家族婚

ウエディングスタイルの移り変わり

ウェディングのスタイルは時代とともにその形が変わっていく。
特に日本経済、景気による影響が大きい。かつて戦後の高度経済成長期からバブル期にかけて、結婚式はどんどん派手になり、結婚式にかかる費用より、いかに贅沢で派手な演出をするかが大きなポイントであり、会場を埋め尽くすスモークの中、ゴンドラに乗って2人が入場するといったような、今では考えられない演出が当たり前のように行われていた。
バブルの崩壊後、先行きの不透明感から結婚自体を控えるカップルが増え始めるとともに、女性の社会進出が加速したため、以前のように女性が男性に養ってもらうために結婚をする、むしろ結婚しないと生きていけないという状況ではなくなった。その後、ライブドアショックにより、さらに結婚を控えるようになったせいで、ウェディング業界は低迷するようになる。

ますます拡大傾向にある「京都の家族婚」

景気の後退、少子化により結婚するカップルは年々減るのに対して反比例するように結婚式場が増えるという悪循環は今後、ウェディング業界にとって避けられない問題であり、業界全体で解決しないといけない問題である。特にここ数年目立つのは、いかに安くお得に結婚式を挙げるか、ということを売りにした企業の台頭である。
短期的には各企業が収益を上げることが出来るかもしれないが、長期的には業界がより悪化する可能性がある。もともとウェディング業界は不透明な業界で、売り手優先のマーケットであったが、日本経済が停滞している今、よりわかりやすく、よりクリアにしていく必要がある。披露宴の形も様変わりし、今では100人以上招待するような披露宴はあまり見られなくなった。逆にどんどん少人数で行う披露宴が流行している。
それは晩婚化や離婚率、再婚率の高さも大きく影響していると思われる。30代前半ならまだしも、30代後半から40代で初婚を迎えるカップルにとって、わざわざ会社関係や友人、親族を招いて盛大に披露宴を催すのもなんとなく気が引ける。特に友人のほとんどが結婚し、子供を持っていると中々家族を置いて披露宴に呼ぶのが難しいということもある。
また再婚のカップルにとっては、離婚したことも友人に伝えていないことがあったり、自分の再婚のためにまた祝儀をもらうのは申し訳ないという気持ちになるのはごく自然なことで、そうなると親族だけ集めて簡単に食事会だけ行うというニーズが多くなる。晩婚カップルは経済的にも比較的余裕があるため、少人数でも料理は良いものにする傾向があり、料亭での披露宴が京都では人気である。
さらに親族を呼ぶのも難しいカップルにとって、一番多いのが家族婚である。

「京都の家族婚」

当人とその両親の6人だけで、ひっそり神社で式を挙げたり、新婚旅行もかねてハワイやオーストラリアなど海外で結婚式をする。今や某上場ウェディング会社も家族婚にスポットをあてたブランド、商品を展開するようになった。2011年の大震災後、特に家族や絆を大切にする風潮が家族婚の流行を後押ししているのも大きい理由である。
ただ家族婚の多くはウェディングドレスを着て、教会で行うことが多く、晩婚のカップルにはウェディングドレスより白無垢や色打掛など和装を着て、神社や寺で式を挙げるスタイルの方が好まれるのではないか。和装での家族婚は潜在的なニーズが大きいように思う。
これからのウェディング業界はアイデア重視、他社が手掛けてないサービスをいかに早く提供していくかが重要になる。特にインターネットがこれだけ普及すれば、よりスピードが求められるようになる。インターネットの世界はまだまだ若い世界で、拡大していくしかない業界である。いかにネットを制するか、これも大きな課題である。

京都は特に神社や料亭が多く、首都圏からの観光客が非常に多い。先述の和装スタイルの家族婚を提案するにはぴったりのシチュエーションである。京都といえば着物や和食、寺社仏閣というイメージは日本人なら誰しも抱くイメージである。今はまだ家族婚という言葉がようやく認知されはじめたところだが、今後は単に家族婚というだけでなく、何をポイントにした家族婚、何をポイントにした家族婚なのかが他社との差別化になっていくと思う。

いずれ京都の家族婚というようなキーワードも認知されるかもしれない。